VAIO Type P っぽい 8.9インチ Windows タブレットこと ASUS TransBook T90CHI で Debian(buster) を動かすためのメモです。
(このメモは T90CHI 上の Debian で Emacs を使って作成しました)

  • 2017/09 に購入しましたが、生産はすでに終了しているので中古品です。アマゾン経由で約2万円でした

スペック

  • ディスプレイ: 8.9 インチ 1280 x 800 IPS
  • CPU: Atom Z3775
  • RAM: 2GB
  • SSD: 64GB eMMC
  • OS: Windows10 Home 32bit
  • カメラ: 200万画素(インカメラ)、500万画素(アウトカメラ)
  • サイズ: 幅241mm×奥行き137mm×高さ16.5mm
  • 重量: タブレット: 400g , 750g(キーボード込み)
  • インタフェース: microUSB×1

インストールされている Windows は 32bit 版

T90CHI にプリインストールされている Windows は Windows10 Home 32bit 版です。
CPU は 64bit の Atom Z3775 を積んでいますが、64bit 版の Windows10 はインストールできません(インストール画面すら出ませんでした)。

フルインストールではなく仮想マシンを使う

普段は Windows10 タブレットとして使う予定なので、Windows を削除して Debian をインストールするのではなく、仮想マシン(VM)上に Debian をインストールします。

仮想マシンは VMware ではなく VirtualBox を使う

VMware の商用利用は有償です。
また 32bit 版の VMWare Player は Player 6 までしか出ていません(最新版は Player 12)。

GPLv2 で配布されていて最新版(5.1.x)が32bitOS でも動く VirtualBox を使いましょう。

virtualbox

ゲスト OS は 64bit 版が使える

ホスト(Windows)側は32bit の OS ですが Intel VT 対応の CPU を搭載しているので、Debian の 64bit 版が動きます。
特別な設定はいりません。

VirtualBox の設定

  • Debian buster の net-install iso からインストール[https://www.debian.org/devel/debian-installer/]
  • メモリは1GB 以上を確保する(512MB では X がハングアップする時がある)
  • HDD の OS キャッシュを ON にする(ディスクアクセスが早くなる)
  • VirtualBox Guest Additions をインストールする
    • 高解像度やマウスオーバーに対応する
  • ネットワークはブリッジアダプターを使って直接接続する
    • 外から SSH でアクセスしたかったので NAT ではなくブリッジアダプターを選択しました
  • ホストキーを F11 に
    • 右 Alt は Emacs でよく使うので、F11 に変更します。
    • 「入力」→「キーボード」→「キーボードの設定」→「仮想マシン」→「ホストキーの組み合わせ」

Guest Additions のインストール

2017/09/23 時点の netinstall.iso では Linux カーネル 4.12.0-1 がインストールされますが、
headers ファイルは 4.12.0-2 (1つ上がってる) のものしかありませんでした。
一時的な問題だとは思いますが、カーネルイメージとヘッダファイルを手動でインストールしてから Guest Additions をインストールしました

# apt install linux-image-4.12.0-2-amd64
# apt install linux-headers-4.12.0.2-all
# apt build-dep linux
# apt install module-assistant
# shutdown -r now

「デバイス」→「Guest Additions CD イメージの挿入」で ISO を /dev/sr0 に挿入

# uname -a
Linux t1 4.12.0-2-amd64 #1 SMP Debian 4.12.13-1 (2017-09-19) x86_64 GNU/Linux
# mkdir /mnt/cdrom
# mount /dev/sr0 /mnt/cdrom/
# cd /mnt/cdrom/
# sh VBoxLinuxAdditions.run

Gnome ではなく xmonad を使う

T90CHI の VM 上で Gnome を使うとかなり重たいです。
アプリケーションボタンから端末を開くだけでももっさりしているのが分かります。
また、マウスが標準で搭載されていないので軽量でキーボード操作のできるタブ型ウィンドウマネージャ xmonad を使いましょう。

グラフィカルログイン(gmd3)のをオフにすると CUI ログインできるのでログインまでの時間が早くなります。

# systemctl disable gdm3
# systemctl set-default multi-user.target

IPv6 をオフにする

IPv6 が有効になっていると IPv6 の外部ホストに接続できなくなりました(ネットワークにブリッジアダプターを選択しているから?)。
IPv6 を無効にします。

# vi /etc/sysctl.conf
net.ipv6.conf.all.disable_ipv6 = 1

// 設定を有効にする
# sysctl -p

USB の充電には相性がある

T90CHI の充電は MicroUSB で行いますが、AC 電源、USB ケーブルの相性があり、充電できるものとできないものがあります。
以下は自分の所有している充電器で充電が行えたかどうかのリストです。

充電器 可否
air-J TWIN STYLE ×
ELECOM mpsc-gt10acubk(galaxy tab 用)
NICE POWER BANK ANICE-Y5(モバイルバッテリー)
ThinkPad X1 Carbon(2015) ; Powered USB ポート
ThinkPad X1 Carbon(2015) ; 通常 USB ポート ×

○: 充電可能
△: 充電ランプは付くが、Windows 側の充電マークは出ない
×: 充電できない

使用感

Emacs で文章を作成したり mlterm で SSH 作業をする分には特に問題はない速度で動きます。
ただ、Firefox/GIMP/libreOffice など大きなアプリケーションは常用できない重さです。

キーボード側にマウスやタッチパッドのようなポインティングデバイスはないのでキーボードでの作業がメインになります。

メインで使うマシンではなく Emacs/SSH の専用機として割り切りましょう。

バッテリーは Emacs で文章を作成しているだけなら5-7時間程度は持ちそうでした。

右 ALT 問題

かなりレアなケースだとは思いますが、xkb (.xkbcomp.xkb) で カタカナキーと右 Alt キーを入れ替えていると右 Alt キーのリピート設定がオフ[^1]にならないという不具合に遭遇しました。
[^1]: xset r off にしてもダメ

Debian 側の設定ではどうにもならなそうだったので、Windows 側で change keyを使って、カタカナキーと右 Alt キー の入れ替えをしました(要「管理者として実行」)